読むヨガ■「アンチエイジング」
世のほとんどの中高年以上世代が興味をそそられる「アンチエイジング」問題。
いつまでも若くいたい!と望む全ての人が無意識で活用している、ポジティブな考えを表しているこのコトバ。
ただこのコトバ、一見前向きのようではありますが、実はきわめて後ろ向きな考え方です。
なにしろ「アンチ」と謳っていますので。。。
アンチというからには、拒絶したいということですよね。
エイジングを拒絶したい。。。。はい、無理です笑
地球上に存在する全ての生物は、いつか朽ちて滅びるという変化を宿命としています。
(これは地球人の思い込みであって本当は滅びることはないのですが、話がややこしくなるので一般論で続けます)
老化=変化です。ちゃんと「化」と謳っています。
ただ変わっていくだけなのに、「醜い」というレッテルを貼ってるのは自分自身です。
変わるだけです。
そしてこの変わるということを受け入れた人には「人生をお気楽に過ごせる」というメリットが付いてきます。
どんなにもがいても、どんなにあがいても、我々は一生、今後も、これからも、ずーーーーーーーーーーーーーーーーーっと、一瞬一瞬、今この瞬間も、とにかく肉体が朽ちるまでトシを取り続けます。
どうせ取らなきゃいけないトシなら、アンチしていないで前向きに捉えた方が無駄な時間が無くなるというものです。
(とは言えアンチエイジングしていること自体が目的の人生もあるので一概に無駄な時間とは言えませんが)
「トシをとる」というのは大体の場合ネガティブに捉えられがちですが、違う角度から見ると、「これまで以上に内面を磨ける」というメリットがあります。
例えば、“老いるという現象”にぶつかることよって発生する侘しさ、寂しさ、焦り、虚無感、脱力感、疲労感、諦め、恐怖etc…
そして、“若さという生命力”に対する羨み、劣等感、嫉妬、憧れetc…
これらのような感情の波は、精神的に成熟していなければ乗りこなすのが難しく感じる「高度な感情」です。
まぁ高度とは言っても、これまでの人生の中で起こる様々イベントを乗りこなしてきたオトナの皆さま方には比較的なじみのある感情達と大差ありませんが。。。
このなじみのある感情達が少しずつレベルアップしながら私たちに挑戦してきますから、日々難しくなる波を、その都度ちゃんと乗り越えて生きる必要があるのです。
そしてこれらに向き合い、受け入れて乗り越えていくことによって磨かれるのが「内面」です。
内面は、自分の感情と向き合うことによってしか磨かれません。
地球上には「時」がありますので、どんなに頑張っても、物理的に生きて経験してきた時間を年若い人が追い越すことはできません。
経験してきた時間が多ければ多いほど、クリアできる感情も多種多様。
つまり、トシが行くほど「高度な感情」に対応するチカラを身に付けるチャンスが増えるということになります。
これが、歳を重ねることの最大の魅力だと言えます。
さて。
とは言え人には得手不得手があります。
もしこれらの感情が押し寄せてくるたびに、抵抗をし続けていたらどうなるでしょう。
せっかく歳を重ねているのに、内面が磨かれないまま肉体だけが朽ちていきます。
“老い”どころの騒ぎではない「人生の終息=死」という恐怖を受け入れなくてはならない「難易度MAX」の課題が立ちはだかった時、これをいかにスムーズにクリアできるか。。。
それはここで言う、日々レベルアップしていく「高度な感情」とどれだけ丁寧に向き合い、一歩ずつクリアして生きたか、、、そこにかかっているのです。